『……あ、佑にかわるねー。』
電話の向こうで突然そんなこと言う母に、私の背中には冷や汗が伝う。
……えぇ!?佑!?
今、佑って言いましたか!?
嘘…もう帰ってきてたの…?
待って、お母さん!だめ!
娘を見捨てないでー!
そんな私の心の叫びも虚しく…
電話口から佑と母の話し声がかすかに聞こえてくる。
そして電話口でスゥッと小さく息を吸う音が
かすかに聞こえた後─────
『おいこらボケカス!!
てめぇこんな時間まで何してんだ!?』
あぁ…
あの無口で無愛想な佑ちゃんが、こんなにもペラペラ喋るなんて…。
これは相当キレていらっしゃる…。



