「…もちろん、佑の気持ちを聞いた時は驚いたけど… 一人の男として、気持ちは理解できるよ。」 「兄貴…。」 曇りのない兄貴の真っ直ぐな瞳。 その目を見れば、今の言葉が兄貴の本心であることがわかる。 素直に嬉しかった。 ずっと一人で抱え込んできたこの想いを、肯定してもらえたように感じたから。 でも──────… 「兄貴…俺は……」 そこまで言いかけると、兄貴は右手を前に出し俺の発言を制した。 「わかってる。 お前が欲しいのは、こんな気休めな言葉じゃなくて、俺の意見だろ?」