「…何が姉だよ…。
…俺は一度も、あいつを姉だなんて思ったことはねぇよ!」
不意に聞こえた佑の怒気を含んだ声に、思わず体が反応する。
いやいや、佑ちゃん…
いくら私がお姉ちゃんらしくないっていって
も、そんなガチギレしなくても…
「ふざけんじゃねぇぞ!?
お前がどう思おうと、お前と結衣は姉弟だ!
…あいつの婚約の件に関しては、お前はもう口を挟むな。」
お父さんも、何でそんなに怒るの?
佑が私を姉扱いしないのなんて、いつものことじゃん…
佑と私は同学年姉弟で、佑が私を姉だと思えないのもおかしい事じゃないのに…
……いや、その前に婚約って──────



