…なんで知ってる…?
なんで…
「あいつはお前の姉だ。
…それだけは絶対に許さねぇ。」
淡々とそう言った親父に、苛立ちを覚えた。
たしかに、親父が言っていることは正しい。
…おかしいのは俺だ。
10年以上の間、姉弟として育てられてきた姉のことを愛してしまうなんて…。
でも…いざ他人にそう言われてしまうと、この想いが不毛なものだと痛感させられて…
震える手を爪が刺さるほど強く握り、唇を噛む。
手のひらにはジワリと血が滲んだ。
「…何が姉だよ…。
…俺は一度も、あいつを姉だなんて思ったことはねぇよ!」
気づいたら、言ってしまっていた。
シラを切り通せばよかったのに。
『何言ってるんだよ、今更。
血は繋がらなくてもあいつは俺の姉だ。』
って、笑って誤魔化せばよかったのに…



