「…禅をそこまで脆くさせるのなんて、この世で結衣ちゃんくらいしかいないからね。」 こいつの考察力と周りを見る力には、いつも感心させられる。 まさかそんな事まで見抜かれているとは… 「は…? お前、アイツと会ったのか?」 俺と棗の会話に、驚いたように目を見開く雄大。 「あぁ…。 さっきここに来て────…」 俺がそこまで言いかけると、雄大は食い入るように俺の肩を掴む。