───────────── 禅side 結衣… 去っていく彼女の後ろ姿が、脳裏から離れない。 遠ざかる結衣の後ろ姿は、あの日の夜を思い出させる。 『────別れるから!』 『…もう会わない。 みんな…今までありがとう。』 あの夜…どんなに必死で名前を呼んでも、あいつがこちらを振り返ることは無かった。 …全て俺が悪い。 こうなる事くらい、わかっていたのに。 それでも結衣を失った喪失感は、想像を絶するほどのもので… 去っていく彼女の後ろ姿を、ただ虚しく見つめる事しかできなかった。