「結衣っ…。
結衣…結衣────……。」
確かめるように、彼は何度も私の名前を呼んだ。
私もそれに応えるように、彼の背中にぎゅっとしがみついた。
禅くん…あのね…
すごく…会いたかった───……。
「…バカ。
心配したんだから…。」
私が少しだけ離れて彼の顔を見ると、彼の瞳には薄ら涙が浮かんでいた。
それを見られたくなかったのか、直ぐに私の頭を自分の肩に押し当てて、視界を塞ごうとする。
禅くんの涙…初めて見た…。
一方的に別れを告げたあの夜でも、私に涙を見せなかったのに…
「禅くん…。」
私があなたを、そんなに脆くしちゃったの?
私と別れて…そんなに苦しかった……?



