この人たちは一体なんなんだ…。
なにがそんなに面白いのか、なんで急に不機嫌になるのかも分からない。
「ごめんね、結衣ちゃん。
俺たち、君を誘拐したいんじゃなくてね…
その制服、洗わせて貰おうと思って。」
うわーお、まさかの私の勘違い。
てゆーか、ただの被害妄想。
私は、全身の熱が顔に集まっていくのを感じた。
これは恥ずかしい…。
穴があったら入りたい。
「ご、ごめんなさいっ!」
私はすぐに謝った。
誘拐犯扱いはさすがに失礼すぎたよね。
「いいよいいよ。
もともとは俺達が悪いんだし。」
笑顔でそう言う朝比奈さんは、本物の王子様だと思った。
なんて素敵な人なんだ。



