みんなに心配かけてるのはわかってる。

だからこそ、必死に笑ってみせるけど…





…大丈夫。辛いのは今だけ。

もう少し経てばきっと、綺麗な初恋の思い出に変わるはず。









「結衣〜!

今日は隣町の男子校とだよ!」








禅くんたちとお別れしてから、凛華にはなんとなく事情を伝えた。

私の話を聞いた凛華は、大きな瞳いっぱいに涙を浮かべていた。




「つらかったね。」

そう言って私をギュッと抱きしめる凛華に、私も思わず泣いてしまったっけ…




あれから凛華は、中学の同級生のツテを使って毎週のように合コンを設定してくれる。

どうやら失恋の傷は、新しい恋でしか癒せないらしい。





ありがたいけど…

正直私は、禅くんのことを忘れたいなんて思っていない。




今すぐ他の男の人と付き合おうという気にも
なれないし…

彼以外の人を愛している自分の姿も想像できない。