「お前もわかってんだろ?
兄貴がどれだけ優しくて……
どれだけお前を大切に想ってるのか…
…兄貴はお前の幸せを壊したくなくて、ずっと見て見ぬ振りをしてた。
………そんな兄貴を…
お前が裏切ってんじゃねぇよ…!」
「っ……。」
…わかってた…。
昴兄が私と彼の関係を知れば、私ではなく自分を責めると…。
昴兄は、そういう人だから…。
「…っ……」
何度拭っても、涙は止まってくれない。
昴兄…ごめんなさい…。
誰よりも私のことを考えてくれてるのに…
…私があなたの気持ちを裏切った…。
「…わかったなら、帰るぞ。」



