本当は〝最後〟に彼に引かれちゃうのは、少し嫌だけど…
最後だからこそ、こんなに素直になれた。
未だに驚いた顔で私を見る彼に、「ごめん」とだけ言い残して部屋を出ようとする。
「……待て、結衣。
こっちに来い。」
後ろから呼び止められて振り返ると、彼は私に自分の横に座るように促す。
こんな所で意地を張っても仕方がないから、私も素直に彼に従い、隣に腰を下ろした。
「…はっきり言うけど…
…俺だって本当は、今すぐにでもお前を抱きてぇよ。」
禅くんの言葉に、顔がボッと熱くなる。
彼が私に手を出さないのは、…てっきり私に魅力がないからだと思ってた。



