少しだけ痛むおでこを擦りながら、昴兄を見る。 「今度からは遅くなるなら連絡入れてな。 心配したんだぞ?…俺も…佑も。」 それだけ言って優しく笑った昴兄。 昴兄が優しくて妹思いなのはいつものこと。 でも今は、その優しさがなんだか切なくて… 申し訳なくて…。 涙が零れそうになるのを必死で堪えて、それを隠すように昴兄に抱きつく。 「昴兄…ごめんなさい。」 色んな意味を込めた〝ごめんなさい〟。 心配させてごめん。 傷つけてごめん。 ……彼を好きになって、ごめん。