切れ長の目にスっとした鼻筋。
薄い唇にキリッとした眉。
それに加えて、…絶対的なオーラ。
…すべてが完璧だった。
これほど完璧な人間が、この世に存在するなんて…。
息をするのも忘れるほど見惚れる私に、彼は何も言わずにブレザーを渡す。
「あの…」
「立て。」
命令口調でそう言った彼。
「は、はい。」
私はそれに応えるため、必死に立ち上がろうとするけど…
どうしよう…腰が抜けて立てない…。
何度頑張っても足に力が入ることはなく、地面に座り込む。
そんな私に対して彼は「はぁ…」と小さく溜息をつきながら、自分が着ていた上着を脱ぐ。
それを私の腰に巻き付けると、軽々と私を抱き上げた。



