「もうっ!みんな見てるのに…」 車内には苦笑いを浮かべる雄大と、いつものように優しく笑う棗くんがいて… 運転手さんはあからさまに目を逸らしていた。 「結衣、またな。」 暗闇に消えていく黒塗りの高級車をただじっと眺めた。 『またな。』 か… その言葉と、禅くんの優しい笑顔に胸が張り裂けそうだった。 昴兄達を裏切っているという罪悪感と、禅くんたちに対しての申し訳なさ。