「佑は相変わらずシスコンだな。」
エリの隣で笑いながら言う理玖。
理玖のその言葉に、俺は軽い苛立ちを覚えた。
シスコン…?
…違う、そんなんじゃない。
アイツに彼氏ができるのが嫌なのも、
こんなにアイツの事が頭から離れないのも、
こんなにアイツが…
─────────愛しいのも……。
あいつを姉だなんて、俺は一度たりとも思ったことはねぇんだよ…
「あーあ。
私も結衣に会いたかったなぁー。
最近家に行っても、結衣いないんだもん。」
わかりやすく拗ねるエリ。
自分だって結衣のこと大好きじゃねーか。
「それにしても…
同じ敷地内にいて、こんなにも会わないなんて不思議だよな。」
ポツリと兄貴が呟く。
「やっぱ昴さんもそう思います?
…よく考えたら、結衣が学校行事を凛華と回らないのも怪しいっすよね。」
兄貴の何気ない発言に、賢が便乗した。
うわ、面倒臭いことになってきた…。
賢は一度気になりだすと、とことん知りたがる癖がある。
特に、人の恋愛話は大好物だ。



