「少しだけ!
少しでいいからお話しようよ。」
「や…やだ!やめてよ!」
この人達が私の意見なんて聞くわけがない。
そのまま腕を引いて、路地裏に連れ込もうとする男達。
私はその手を振り払おうとするけど、女の私が男の力に勝てるわけがない。
……気持ち悪い…
「だれか…誰か助けてっ…。」
そう叫んでも、通行人は誰も私と目も合わせようとしない。
きっと面倒事に巻き込まれたくないんだろう。
路地裏に連れ込まれたら、何をされるかわからない。
助けてよ…。
昴兄…
佑…
そんな願いも虚しく、私は簡単に路地裏に連れ込まれてしまった。
誰もいない。
薄暗く不気味な場所。



