あーもう、しつこいな。
可愛い子ならその辺にいっぱいいるのに。
なんでよりにもよって私!?
自他ともに認める〝 顔面偏差値 中の下〟の女だよ!?
腕を掴まれてしまい逃げる手段をなくした私は、どうしようかと自分の足元を睨む。
すると、不意にドスの効いた声が聞こえてきて…
「───…おい。」
その聞き慣れた声に顔を上げると…
いつの間にかあの群れから抜け出した禅くんが、男達の後ろに立っていた。
背の高い彼は、男たちを上からじっと見下ろす。
それに加えて、その端正なお顔にはどこか怒りが含まれていて…
そのオーラに圧倒された男達は、
「あ…ほんとに連れいたんだ…。」
「ごめんねー…。」
…なんて言って、そそくさと逃げていった。



