◇ ◇ ◇ ◇
シフトを終えてスマホを開くと、禅くんから
[着いた]とだけメッセージが送られてきていた。
「彼氏、もう来たって?」
「うん、私もう行くね。」
「楽しんで〜♡」
今日禅くんたちがここに来ることは、凛華にだけ話してある。
シスコンな昴兄と…特に佑には、『他校の友達と回る』とだけ伝えた。
アリスの衣装のまま、禅くんたちがいる昇降口に走って向かう。
「きゃー!かっこいい!」
「連絡先交換してください♡」
そこにはもう女の子達の群れが出来ていて、
その中心には背の高い禅くんたちの頭だけが見える。
うわー…女豹たちに囲まれちゃってる…。
んー…どうしたものか。
正直、ちょっと妬けちゃうけど……
あの女子の群れを掻き分けて行く勇気はないんだよなー。



