覇王とのことも、まだ何も解決できていない。





今の状態でこの関係を続ければ…

いつか結衣を苦しめる事になるのも、結衣が離れていく事もわかっているのに。










「禅くん……?」









酔ってほんのり赤い顔を、心配そうに歪める結衣。





かわいい…。

そっと愛しい彼女の頬を撫でる。




嬉しそうにその手に擦り寄るこいつを、もう離せる気なんてしない。









覇王……。







俺が…俺達龍王がかつて最も信頼し、

─────今では最も憎むべき族。


















覇王現総長…唐沢昴。




……結衣の実の兄だ。