ふと禅くんを見ると、やっぱり少し恥ずかしそうで…私の胸はキュンと高鳴る。




煙草やめるのって結構きついんじゃないの?

そんなことを私のために……。




…あー、もう。

禅くんが愛おしすぎておかしくなりそう。



自分の横をポンポンと叩く彼を見て、言われるがままに私もそこに座る。









「煙草なんて要らねぇから、ここにいろ。」







目を逸らしてそう言う禅くんは、一見無表情だけど、照れてるのが分かる。








「うん……。」








周りに冷やかされるのが照れくさくて…

私は何かを誤魔化すように目の前にあった飲み物をごくごくと飲んだ。










「───…あ、おい…それ俺の酒…。」










…禅くんの声が聞こえた時はもう遅かった。



あぁ…せっかくの禅くんの誕生日なのに…。

目の前がグワンと揺れて、私の記憶はそこで途切れた。