「あー…やべぇ…氷なくなった。」
「まじかよー。買いに行く?」
後ろの方で聞こえる話し声に反応する。
振り返ると、そのうちの一人はいつも私の送り迎えに来てくれる運転手さんだ。
「あの!私、行ってきましょうか?」
お酒の席で 何もすることがなくて、暇を持て余してた私。
お母さんに電話しようと思ってたし、丁度いい。
…それに、少しはいつものお礼がしたい。
桜庭学園の近くまで来るのは、かなり遠回りなのに…
なんだかいつも申し訳なかった。
「…い、いやいや!
結衣さんには行かせられませんよ!」
「もう暗いし危ないっすよ!
俺らがいってきます!!」
二人とも明らかに私より年上なのに、なんで敬語を使うんだろう?
私が禅くんの彼女だから?



