禅くんはゆっくり起き上がって、私を抱き起こす。 「悪い、急ぎすぎた。」 それだけ言って、私の頭を撫でた禅くんは部屋を出ていく。 あの状況で途中で止めるのは、男の人にとっては相当辛いことらしい。 …前に賢ちゃんが言ってた。 それでも、禅くんは私の気持ちを優先してくれて…… 私……大切にされてるな…。 そんな禅くんがやっぱり好きで、私もすぐに彼の後を追う。 そこで棗くんが彼に、 『禅にとっての最高の誕生日プレゼント、 ……邪魔してごめんね。』 …なんて謝ってたのを聞いた。