角度を変えて、何度も唇を奪われる。
シンとした部屋にいやらしいリップ音だけが響いて、なんだか恥ずかしい。
「っ……」
………どうしよう…苦しくなったきた。
これって、どうやって息するの?
…鼻で息してもいいの?
私の荒い鼻息が禅くんの美しいお顔にかかっちゃうなんて…恥ずかしすぎない!?
こういうキス、マンガで見たことあるけど…
やり方なんて分かるわけない。
こんなことなら、凛華に色々聞いておけば良かったな…。
キスの仕方もまともにわからない私は、唇が離れた一瞬の間に、酸素を求めて大きく息を吸い込んだ。
……それを待っていたかのように、少しだけ開いた口にヌルッとした生暖かい何かが入り込んでくる。
「…ふっ!?…ン……。」
それが禅くんの舌であることはすぐに理解できた。
歯列をなぞるようにゆっくりと動く彼の舌に、頭がぼうっとしてくる。
なんか、フワフワする…。
…気持ちいい…。
もう何も考えられない…。
銀の糸を引いてようやく唇が離れると、今度はそっとベットに押し倒された。



