呆れたように溜息をつく禅くん。
また少しだけ私から距離を取ったけど、もう悲しくない。
彼の気持ちを知ったから…。
「私だって…それくらい分かってる。
だから禅くん、我慢しないでいいよ!」
私だってもう高2だもん!
今まで誰とも付き合った事なんてなくても、カップルが何をするかくらいは分かってる。
勇気を出して彼の頬にチュッとキスをすると、禅くんは一瞬驚いたような顔をして…
そして再び深いため息をつく。
「…………もう知らねぇ。」
小さく呟いた彼は私を抱き上げて、向き合うような形で自分の膝の上に座らせる。
いつもより目線が近くて恥ずかしい……
なんて照れる暇も与えずに、禅くんは自分の唇を私のそれに押し当てる。
さっきの触れるだけのキスとは違う、少し大人なキス。



