「結衣、つけて?」
甘えるようにそう言う彼からブレスレットを受け取って、手首にそっと付ける。
禅くんは手首についたブレスレットを満足気に眺めて、それにキスをした。
「ありがとう。肌身離さずつける。」
───Keep holding my hands───
ブレスレットの内側に刻まれたメッセージのことは、まだ教えてあげない。
「絶対外さないでよ。
これ、マーキングなんだから。」
「マーキングって…。犬かよ。」
フッと笑った禅くんが愛おしくて堪らなかった。
…あぁ、本当に大好きだ。
禅くんに触れたい衝動を抑えられなくて、また抱きついてしてしまう。



