「一生のお願い。」
「いつもそう言ってるじゃん。」
あんたはいったい何回死んでんだ。
「結衣様ーー。」
「嫌だ。」
私の腕をぐいぐい引っ張る佑。
首をこてんと傾け、私の顔をのぞき込む。
…これ、絶対狙ってやってるでしょ。
いつもなら、この普段とのギャップにやられてしまうけど……今日は負けない。
負けないんだから……。
「───…夜、焼肉奢る。」
「────よし。どこに行けばいいの?」
美味しい食事には目がない私。
もちろん焼き肉も大好物だ。
今日は負けないと決心した3秒後にはもう頷いてしまっていた。