「…あの日からずっと忘れられなかった。」 私の目を真っ直ぐ見つめて言う。 相変わらず綺麗なその漆黒の瞳に、私はまた釘付けになってしまうんだ。 「…好きだ。」 囁くような、少し掠れた声。 だけどはっきり聞こえたその言葉。 「ひとりの女として、唐沢結衣が好きだ。」 今度ははっきりと言い切った禅くん。 禅くんが私を好き…? ひとりの女の子として…。 誰よりも、この人から聞きたかった言葉。 どうしよう…。嬉しすぎる…。