「陽菜は裕哉くんにお母さんのこと話した?」
「うん、少し」
「そっか」
予想はしてたけど、お母さんの話をするためだったんだ。
さっきまで明るかった陽菜の表情がどんどん曇っていく。
「お母さんってさ、実はすごい不器用なのよ。陽菜からは裕哉くんの家にいること聞いてて」
陽菜はお姉さんと連絡は取ってたみたいだ。
唯一家族で信頼出来るのがお姉さんなら連絡くらいとるよな。
「お母さん、その時陽菜とやり直したかったみたいなんだけど、全部上手くいかなかったみたいで・・・陽菜が戻ってこなくなってお母さんじゃなくて、裕哉くんとの方が幸せなんじゃないかって思うようになったの」
1回陽菜を呼びに来てからはもうそれっきりで確かに来てなかった。
俺は陽菜の家族のことまだ全然知らなくて、きっと俺よりも母親と過ごす方が幸せだと思って返したけど違ってた。
でも、親なら・・・
やり直したいなら何度でも迎えにこればいいのにとも正直思ってた。



