「陽菜」


「ん?」


「俺も好き、大好き」


私をぎゅっと強く抱き締めた。


裕哉の心臓の音・・・ドキドキって聞こえてきた。


裕哉も私と同じなんだって思うと嬉しくて顔が緩んじゃう。


そっと私から体を離して見つめ合う。


「陽菜」


「なに?」


「キスしていい?」


「えっ・・・でも、人前・・・」


「大丈夫、みんなイルミネーションに夢中だから」


私がしていいかどうかの答えを出す前に私の視界は裕哉で埋められた。


頭の中が裕哉でいっぱいで、甘くて苦い恋の味がした。



「陽菜、これからも彼女としてよろしくな」


「こちらこそ」