「寒いからこれかしてあげる!」 そう言って、さっきまでしてた北村くんのマフラーを私の首にそっと巻いてくれた。 「あ、ありがとう・・・」 「どういたしまして!」 学校ではチャラけたイメージがあるのに、こうやって急に優しくされると調子狂う・・・ 北村くんの心が読めない、わからない。 歩いているあいだはなにも言葉を交わしていない。 ただただ、北村くんは私にそっと寄り添うように静かに隣にいてくれた。