九月に入って1週目。

「あー、今月期末テストだねー」

私たちは話していた。

私はまだ中田に告白の返事は伝えていない。
テストが近いのもあったけど、自分自身の気持ちさえも分からなくなっていたからだ。

(そろそろ言わないとな...待たせてるし、)



正直言うと、私は中田のことは何ひとつ興味が無かった。告白されてから中田のことを今までよりかは見るようにしてみたけど、良いなと思うところはひとつも無かった。

なのに、

私は

告白を了承した。


なんでかって考えると、

自分がこれ以上傷ついたくなかったんだと思う。

松嶋のことで。


松嶋は同じ部活の中村萌香ちゃんと仲が良さそうだった。仲が良さそうって言うのは、剣道部自体、男女がとても仲が良かったから。
それに、
萌香ちゃんは中学1年生のころ松嶋のことがすきだという噂がたっていた。
中2になってその噂はなくなっていたけど、2人の様子を見るとまだ何かあるのかなって思ってしまう。

学校での2人の仲の良さにも。

私は、もう耐えられなかった。

丁度そのときに中田に告白された。

(自分が傷ついてまで松嶋のことを好きでいる必要ってないのかも。それなら、自分のことを想ってくれる人を好きになった方がいいのかもしれない。)

そう自分に言い聞かせた。