入学式から3日たち、みんなの緊張もほぐれ女子達のグループができ始めていた

まあ、私はそこに入ることなんて出来るわけなくて、1人でぼーっとしてることが多い。

こんなはずじゃなかったんだけどなあ

「…と…美琴!」

『はぃ?!』

「驚きすぎ。話聞いてた?」

え、ぼーっとしてて話聞いてなかった…

この子はクラスで出来た唯一のお友達
白石 凜華 シライシ リンカ ちゃん

2日前に、私が先輩に囲まれて困っているところを、凜華ちゃんが助けてくれて

字のごとく凜としてて、思わず
『弟子にしてください!!!』って叫んでしまったの。そしたら
「えっ、友達がいいな。友達になろう?」
と言われたので、
『是非!!』

という出会いから始まって仲がよくなったの。凜華ちゃんはサバサバしていてたまに毒を吐くけど、綺麗でかっこよくて憧れるんだぁ

「おーい、美琴?」

『ん?』

「だから、あれ、見てよ」

『あぁ…あれは…』

凜華ちゃんの目線の先を見ると、たくさんの女子が群がっていてバーゲンセールのようになっている

「神宮寺くーん、今日どこか行こうよ~」

媚を売るような甘い声で頼む女子

「ごめんね、今日用事があって」

「うーん残念ー。また今度いこうねぇ?」

丁重にお断りする男の子の声が聞こえる

『凛華ちゃん、あれ誰だっけ?』

「あら美琴知らないの?神宮寺翔太よ、学園の王子様。」

『ジングウジ??すごい苗字だね』

神宮寺…どこかで聞いたことあるような…

「あの神宮寺財閥のご令息だもの。」

『えぇ?!そうなの?』

神宮寺グループの会社でお母さんは働いているから親近感を覚えるけど、それのトップかあ…すごいなあ…

「それで、あの顔だから、地位目当ての女子が大量発生ってとこかしら。」

『みんな大変だなあ…』

「あ、そろそろHR始まるね。また後で」

『あ、うん!また後で!』

凜華ちゃんが席に戻ったときに先生が来た

「はい。席につけー。」

この先生の言葉を合図にみんながバラバラと席に戻って行く。もちろん神宮寺君の周りにいた女子達も戻っていった。



私はそのとき見てしまった。