「ちょうど良かった!いま新しい本が届いたんだけど確認してくれる子がいなくて困ってたの。私今から別件でもう行かなくちゃいけなくて。ここ、任せてもいいかしら?」
「は、はい。」
「ありがとう、じゃああとよろしくね~!」
本の確認はしたことがあるからやり方は分かるし。
全然平気なんだけど。
……なんだけど。
「この量は……」
段ボール3箱分みっちり詰まった本。
今からひとりで一つ一つ確認して本棚に収納って。
私いつ帰れるんだろう……。
またため息がこぼれる。
もうどうしようもないし。
親に帰りが遅くなることをメールで伝え。
私は制服の袖をまくった。
こうなったら何が何でも最終下校時刻までには終わらせる。
そう自分に喝を入れて、私は作業を始めた。
作業を始めてどれくらいたったんだろう。
外を見てみれば、夕日がだんだん沈んでいて。
一部の空は濃紺の色をしていた。
最終下校時刻まであと15分ほど。
段ボールはあと1箱分。