俺の気持ちは藤村に迷惑だろうか。
良くも悪くも目立ってしまう俺の気持ちは重荷になってしまうのだろうか。
彼女を想うからこそ簡単に気持ちを伝える事が出来なかった。


それなのに、彼女は。
その俺の固い決意をいとも簡単に崩してしまう。


3度目の図書当番の日。
泣きながら藤村が図書室へやってきた。
本人は隠しているつもりなんだろうけどバレバレだ。


理由を言わない。
となると、きっと俺関連の事なんだろう。
たかが委員会が一緒になったくらいで周りの女子に責められる。
前一緒な委員会だった女の子がそうだった。


確証が持てないから注意する事も出来ないし。
なにもできないもどかしさが辛かった。


それでもどうにか救ってあげたくて。
彼女の心に触れたくて。
俺は一歩踏み出した。


そして聞きだした彼女の本音はボロボロで。
そんな卑屈になるほど責めていた事を知ると。
苦しさと同時に愛おしさがこみあげてくる。


好きだ、どうしようもなく。
たまらなく、愛おしい。


”好きだ“


その3文字を伝えてしまえたらいいのに。
喉元まで出かかった言葉を引っ込めて。


“友達になってほしい”