「園田さん、その紙は気にしないでください。そのままでも構いません。
ですから早くドアを閉めてください」
「…かしこまりました」
園田さん達は知らなかったのだろうか、私の兄が連続殺人犯だと言われていることを。
「園田さん…私の兄は」
「存じ上げております。
ご契約時に東堂さんからすべてお聞きしました。
このことを知った上で、佐々本さんを心から守ろうと思える人に護衛を担当してほしいのだと、東堂さんが」
そうだったんだ…
蓮さんそんなことまでしてくれてたなんて…
「このチームは誰一人としてお兄さんを疑ってはおりません。
あなたのお人柄を見ていれば、お兄さんが悪い人でなかったことくらいすぐに分かります」
「園田さん…」
「これでも私は人の親ですから…。
あなたのような素敵な方を育てられたお兄さんが、人を殺すような悪い人とは到底思えないのです。
それなのに…なぜこのような嫌がらせを受けなければならないのか!」
そう言うと、園田さんは拳を力一杯壁に打ち付けた。
