「小春、俺はただおまえに幸せに「…蓮さんの話なんて聞きたくないっ」
「聞いてくれ、小春」
「嫌です!私は……私は嫌がらせされても、それでも蓮さんといたいの!
蓮さんさえいれば、それだけで幸せになれるって胸を張って言えます!
だからっ」
必死に俺にしがみついて首を振る小春。
ごめんな…小春。こんなに苦しめて。
「そう思うのは今だけだ。
時間が経てば俺よりいいと思える人が現れる。
小春は魅力的だから…絶対大丈夫だ」
「蓮さんの口からそんなこと聞きたくない!
蓮さんは私が他の男の人と一緒になってもいいんですか?
だからそんなこと言えるの!?」
「そんなわけないだろ!
俺だって…俺だって小春とずっといたい!俺がこの手で幸せにしたい!
でも俺じゃ無理なんだよ…」
「そんなことない!無理なんかじゃない!
私には蓮さんしかいない!
それにもし私を愛してくれる人が現れたとしても、私はその人のことを好きになることは絶対にありません」
「なんでそんなこと言い切れるんだ」
「だってきっとその人は…お兄ちゃんの無実を訴えた私のことを信じてくれなかった人だから。
一度は私のことを最低なやつだって思ってるかもしれないんだよ?
そんな人に今さら好きだなんて言われたって嬉しくない!」
「っ!」
俺は、小春のその言葉にハッとした。
そうだ…。
小春を愛する人が現れたとして、そいつは小春が殺人犯の妹だったときに出会っていても、小春を愛していただろうか。
