「わかってんの?俺は凶悪犯だよ?
なんの罪もない女を食い物にしてるような最低なやつなんだよ?」
「わかりません!
だって…だって他の人からしたらあなたは凶悪犯かもしれないけど…
でも私にとってはやっぱり恩人だから!
ずっと見ていてくれたから、さっきだって最悪なことにならずに済みました。
それどころか、明日からセクハラ自体なくなるかもしれません。
それに…お兄ちゃんの無実を信じている人は、この世に私一人だけだったのに…
あなたで二人目なんです
だから、仲良くなりたいです」
ーーー眩しかった。どうしようもないくらい彼女の笑顔が眩しくて、自分が本当に醜く思えた。
「…バカだな、おまえ」
「バカじゃないですよ!
間違ったことは言ってません」
「いーや、普通は俺のことを殴るぐらいはするぞ」
「しませんよ、そんなこと!」
「おまえいつか騙されるぞ」
「大丈夫です。
ちゃんといいい人と悪い人の区別ぐらいできますから」
「怪しいな。
…とりあえず俺が落ち着かないからやっぱ殴れ」
「嫌です。殴りません!
でもそのかわり、こうしてもいいですか…?」