軽蔑されるのは当たり前だろう。
怖がって逃げられるだろうか、その手に持つお茶でもかけられるだろうか…

なんだっていい。殴られたっていい。
俺に君の兄の無実を証明させてくれ。


俺のこのハッキングの能力を、君のために使わせてくれーーー





「…お願いが、あります」


お願い…?

彼女からの要求ならなんだって飲んでやろう。
そう思いつつ次の言葉を待つ。



「私を売ってもいいから…だから兄の無実を証明して、兄の汚名を晴らしてあげてください。


それと…もし、もしなんですけど…

私のワガママに付き合っていただけるなら、私が売られる日まで、それまででいいから私と友達になってください!」



予想だにしなかったその要求に俺は息を飲む。


「本気で言ってるのか…?」

「はい。
私はどうなってもいいんです。だから…お願いします!」


「違う!俺が驚いているのはそこじゃない!
おまえを売るつもりはさらさらない。
おまえが何と言おうと、俺は絶対に売ったりしない。


そうじゃなくて…
こんな俺にそばにいてほしいって…本気で言ってるのか?」


「もちろん本気です!
ごめんなさい…やっぱり迷惑でしたよね」


違う。そうじゃない!