なあ小春。俺は小春と一緒に笑い合っていたいし、小春が悲しいときは側で支えたい。
俺がしんどいときは側にいてほしい。

これは全部、小春じゃないとダメなんだ。
だからどうか俺のためにもいなくなったりしないで?」



小春は迷っているようで、うさぎのぬいぐるみを握りしめた。

きっと小春だって俺から離れたいわけじゃない。
俺たちはお互いを大事に思いすぎてるだけなんだ。


「あの…お話中いいですか?」

遠慮がちに園田さんが言葉を発した。



「私から提案なのですが、佐々本さんに私と同じマンションに引っ越していただくのはどうでしょう」

「…え?」


「私は今回の仕事を最後に退職しようと思っています。
どうしてもこの仕事は危険を伴いますし、体力も必要なので、私のように家庭のあるおばさんが続けるのはきつい仕事なんです。

ですが…きっと仕事を辞めたら私は退屈で仕方なくなると思うんです。

ですから、佐々本さんには話し相手になってもらって、そのお礼に生活のお手伝いもさせて頂けたらと思うのですが…いかがでしょうか」


「そ、そんなのだめですよ!
お礼にお手伝いしてもらうなんて割りにあっていないじゃないですか!」