「お疲れ様でした。
お二人のお人柄やお気持ちがよく伝わる素晴らしい記者会見だったと思います」
小春の車椅子を押しながら俺たちのそばまでやってくると、園田さんはそう言った。
「ありがとうございます。
結果的に小春まで人前に晒してしまった上に、きちんと謝罪しなければいけないときにこんなことをしてしまって…
きっと今頃世間は大荒れだな」
俺が苦笑いすると、小春は
「私もともと勝手に顔晒されてるもんね。今更だから気にしてないよ」
と朗らかに笑うので、ここでようやく俺は落ち着いて息をすることができた。
自分でも気づかないうちに肩の力が入っていたんだと思う。
小春を横抱きにして、車椅子に移動させようとすると、前より遥かに軽くなってしまった小春の身体が心配で堪らなくなった。
