それでもあなたが大好きです。



もちろん俺が傷つけてしまった人達に謝罪することも怠ってはいけないが、どこまでも自分勝手な俺は、加害者でありながら自分の大切なものを守ることを優先したいと思った。

それに、小春を守れるのであれば世間からのバッシングはいくらでも受け入れる覚悟だった。




「佐々本さん!東堂さんは犯罪者ですよね?
今後もお付き合いを続けるおつもりですか」


「はい。
彼のしたことは、なんの罪もない女性たちをたくさん苦しめました。
許されることではないのかもしれない。

でも…ひとりぼっちだった私を信じ、ここまで支えてくれたのは彼です。
兄の無実を証明することだって、私にはどうすることもできなかったのに…彼は証明してくれた。

だから、彼にどんな判決が下ろうとも、世間が彼のことをどう言おうとも、私は彼のことを待ち続けます」


小春…



「では東堂さん。
被害女性たちに最後に一言お願いします」


「はい。
これまで酷い目に合わせてしまった女性の方々には、何度謝罪しても足りないくらい取り返しのつかない事をしてしまったと思っています…

私にも大切な人ができた今、どれだけ自分がひどい事をしてしまったか思い知りました。
被害に遭わせてしまった女性だけでなく、そのご家族の方々も深く傷つけてしまったことにも気がつきました。


被害女性の方々、そしてそのご家族の皆様、私のようなものからの謝罪など聞くに耐えないかと思いますが、ここで謝罪させて下さい。
そしてこのような場をいただいたにも関わらず、彼女と再会の場に利用してしまったことも重ねて謝罪します。


誠に申し訳ございませんでした」



立ち上がって深々と頭を下げる。
小春も隣で腕で支えてなんとか立ち上がり、同じように頭を下げてくれているのがわかった。


「…こんなことさせて……ごめんな、小春」


愛する人にこんなことをさせてしまう不甲斐なさで過去の自分を恨んでも恨みきれない。


「蓮さん。
これから一緒に生きていくんだもん。
蓮さんがしてきたことは、私にも一緒に償わせてほしいんだよ?」


柔らかい小春の声が耳に届き俺は泣きそうになった。



頭を下げる俺たちに溢れんばかりのシャッター音が降り注ぐ。

こうして厳しい質問もいくつか受けながらも、俺と小春の会見は終了した。