「聞くけど、夏芽って高野くんのこと好きじゃないよね??」

小声でそう聞いてきたのはりんちゃんだった。

「…う、ん。もちろん」

笑顔で言ってるつもりだが、なかなか上手く笑えない

「いいんだよ??ホントの事言って。」

優しすぎるりんちゃんはそう言ってくれるが、さすがにほんとのことは言えないや。

「だから、違うって〜笑」


これが私の精一杯の笑顔だった。

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りんちゃんとあーちゃんがトイレに行くと言って、私は1人になった。

1人で携帯をいじっていると、奏太が話しかけてきた。

「お前、笑えよ」

…?

「お前の笑顔はそんなんじゃないだろ??小学生のときから見てるから分かるんだよ」

わたしの笑顔??

「笑ってるよ、私」

ううん、うそ。奏太の言う通り笑ってない。

「なら奏太が笑わせてくれればいいじゃん」

奏太はクラスの中ではかなりムードメーカーの方で授業中などもちょいちょい笑ってしまう

「ま、いっか。じゃーなー」

いいのかよ〜笑 ふいに笑顔になってしまう

素直に言ってしまおう。

そうしないと辛いままだ。

すると2人が教室に帰ってきた。

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