学校についたのはいつもより10分くらいはやかった。高野くんより先にきて、席に座って待ってようと思ったからだ。

教室には私以外誰もいない。


がら。


そこに入ってきたのは部活が終わった高野くんだった。


「あ、高野くんおはよ」

会釈しかしない彼はそのまま私の隣の席についた

「今日、はやいじゃん」

「えっ!?」

いつもは声も出さない彼がいきなり話しかけてきた。

昨日は私がヘマしたから軽く会話を交わしたけれど…。

「今日は天気がよかったから早く来た


なんとも言えない言い訳笑

「森川って美術部だっけ??」

部活を覚えててくれたなんて嬉しすぎて、目をそらしてしまう。

「うん。そーだよ」

そしてふと思い出す。りんちゃんの高野くんへの思いを。

「た、高野くん、ってさ…」

聞いてはいけないことなのに何故か口が止まらない。

「好きな子、とか…いる?」

高野くんは少し驚いたようだが、またいつもの顔に戻り、

「そりゃあ、いるよ」

と答えた。

「森川は??」

ここで『いるよ』と答えたら、彼はどんな顔をするのだろうか。。

「いる、よ。」

ミディアムのストレートの髪の毛で自分の顔を隠そうとした。

「いるよな〜」

伸びながら高野くんは笑っていた。
決めた。今日は高野くんの絵を描こう

そして、課題の話をしたり、色々話してるうちにクラスメイトも集まってきて、りんちゃんとあんちゃんも『夏芽おはー』と言いながら教室に入ってきた。


ゆめの時間だったな…


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