「それとも、もう俺とデートは嫌か?」
え……多分前までなら嫌だっただろうけど、今は嫌じゃない。
むしろ一緒にいると楽しくて、安心できて、落ち着く。
次のことを計画してくれていたの、すごく嬉しい自分がいた。
だから、首を横に振って否定。
「嫌じゃ……ない」
「そうか、よかった。
今日は疲れただろうし、飯食ったら家まで送ってく」
そう言った綾斗は、とても優しそうな顔をしていた。
綾斗、今まで無視してごめんね。
今日でなんとなく、綾斗のことはわかった。
もう無視とかはしないから。
だから、これからちょっとずつだけど一緒にいることに慣れていくから。
私から離れていかないでね……。