「その鬱陶しい顔と態度、それが大っ嫌いなのよ!ずっとそうしてへらへらして放ってたんでしょう?」

「あら、放ってた?何のことかしら。」


ファンリュジョンはそう言うと、駆け寄って来るアレン達に目をやった。


魔力持ちは全員準備万端。



「…そろそろですわね」



ボソリと呟いたその声を、アレン達はしっかり聞いていた。










「…ダーチェス、最後に訊くわ。」



いきなり雰囲気がガラリと変わったファンリュジョン。


彼女は自分の妹を見つめ、静かに声をかけた。



「最後?死ぬ覚悟をしたの??」


皮肉な笑みを浮かべたダーチェスはそう返してファンリュジョンを見下す。


神は目を細めそんな闇王を見つめると、淡い桜色の唇を開いた。




「…やり直す、つもりはないのね?」