「…あら、あっちは終わったみたいね」



激戦中だったファンリュジョン。



彼女はニコニコしながら目の前の自分に瓜二つな顔に話しかけた。



ダーチェスはちらりとアレン達の方を向き、舌打ちする。



「……負けてる…。全く、役立たず!!」



そんな暴言にファンリュジョンは悲しそうに眉を下げた。


演技なのかそうでないのかは本人にしかわからない。




「…貴女、口が悪くなったわね。いつからそうなったの?」

「いつから…さぁね。私はこういう奴だったのよ」

「嘘おっしゃい、ダーチェスは心優しい乙女でしたでしょう」


ファンリュジョンはそう言うと、自分に向かい飛んできた魔法をきっちり弾いた。


ダーチェスはまた舌打ちする。


焦っているように見えるのは気のせいではないだろう。




「……神の塔でなら勝てると思ったの?」

「あら、ここでも勝てるわよ」

「…変な自信ね。どこから湧いてくるのかしら」



暢気にクスクス笑うファンリュジョン。


ダーチェスはわかりやすく額に青筋を浮かべた。