その頃、少し離れた場所でクナルの治療を受けていたマケドニスは──
「……何してんだあのバカップルは」
──アレンとレイを見て呆れ返っていた。
「あ、マケドニス動かないで。」
「え?あぁ、ごめん」
しかしクナルに注意されてそちらを見るのを断念する。
「こんな時に微笑ましいですわね」
とりあえず今は無防備なマケドニス達を守ろうとここにいる教皇が、ふふっと笑ってニーナに言った。
「本当に、こんな時にですよ。笑い事じゃありません」
お堅いニーナはそう言いながらもダーチェスを睨んでいる。
睨んでいた、が不意に教皇に振り向き彼女を見上げた。
「教皇様、どうしてですか?」
その突然な問いに教皇はニコニコしながら首を傾げる。
「何がかしら?」
「しらばっくれないで下さい。こうなることはわかっていたんでしょう」
「あら、バレちゃった?」
今度はペロッと舌を出し、サリルナ教皇はまた笑った。
……本当に何歳なのか。


