サリルナ教皇は白く長い髪を後ろに振り払い、アレンとレイを見て短く溜め息を吐いた。
「…そうですか。まぁ、仕方ないといえば仕方ありませんね…。」
「俺もアレンの立場だったら許せないですよ」
ギルクが親友の肩を叩きフォロー(?)する。
俺もそうかもしれません、とマケドニスも同意した。
「…争いだけは、やめて下さいね」
教皇は説得でもしようとしていたのだろうか、諦めたように目を伏せるとそれだけ言って溜め息をついた。
無表情ぶっ通しのアレンはその様子にさえ反応しない。
しかしレイがちらりと見上げるとアレンも彼女の方に顔を向け、堅い表情を少し和らげた。
レイはそれに嬉しくなってまた笑う。
「……ほんと、そう言うのだけはわかりやすいですね」
そんなマケドニスの呟きに、ギルクはニヤニヤしながら頷いたとか。
「失礼します」
話が終わり雑談をしていたところへ、巫女の姿をした使用人がやって来た。
教皇は顔を上げにっこり微笑むと立ち上がる。
「首相のご来訪ですね。お通ししてさしあげて」
「畏まりました」
巫女さん使用人はペコリと礼をするとその場をそそくさと立ち去った。
帰り際にきっちりアレンをちら見したのをレイは見逃さない。
今回はギルクやマケドニスもちら見の対象になっていたようだ。


