翌朝、勇者の城王の間。


そこで珍しく王座に腰掛けているアレンは、資料を眺めマケドニスと話をしていた。




「…じゃあ、教皇がシェリーを連れて帰るんだな?」


「はい。あちらでお弔いしたいとのことで。」



今待っている教皇との話を前に、決定事項をまとめているのだ。



昨日霊安室で亡くなった人達の確認と黙祷をし、こちらの国側の人の分は家族に還したりここで葬式をしたりした。


アレンはシルラの分しか出れなかったが、他の8人の家族は納得したらしい。



残るは他国の人間のシェリーとルシアン。


シェリーは先程のように決まったが、ルシアンが厄介だった。




「……ブエノルを呼んだりは出来ないし…、ロレスウェル達を帰すときに一緒に行かせるか?」


「でもルシアンには家族がいないらしいですよ」


「…………………。」



はぁ。



アレンは盛大な溜め息を遠慮なく吐いた。




ロレスウェル達は死刑を免れアレンが言った「即刻帰れ」そのままになったのだが、またそれもややこしい。


帰るのは明日の予定なのだが、二人はもうダルヌク国には居場所がないと騒ぎだしたのだ。