「アレン様、おはようございます」



レイが城に戻ってきて早一週間。

すっかり体調のよくなったアレンは朝から亜麻色の髪の美人ににこやかに挨拶された。



「…おはよう」

シルラに圧倒され、アレンは朝ごはんを頬張りながら挨拶を返す。



あの日の翌日、シルラは医務室にいたアレンを訪ねてきた。

そして勝手なことをしたことを謝り、想いを告白した。


アレンはその気持ちには応えられない、とはっきり言ったのだが、シルラは諦めませんと笑顔で宣言した。



そして、かなりオープンな積極的なアピールが始まったのだ。





「アレン様、お飲み物のおかわりはしますか?」

「…いや、いいよ」

「そうですか。では、デザートをお持ちします。」

「それもいらな…」


アレンが断る前にシルラは厨房へと消えてしまった。




「……………はぁ。」


一つ溜め息をついてまた黙々と食べる。